カンボジアで娯楽ビジネス、プリンセス天功さんカジノホテル開業

華麗なるイリュージョン(奇術)のスペシャリストとして国内外で活躍するプリンセス天功さんが1月、カンボジア南部スバイリエン州のバベットにカジノホテルゴールデンパーム・カジノ&ホテル」をオープンさせた。

オープニング式典のためにカンボジアを訪れた天功さんは「カジノだけでなく、一流のアーティストによる舞台を演出して、アメリカのラスベガスに負けないエンターテインメント・ビジネスを育てたい」と意気込みを語った。
バベットはベトナムとの国境にある町で、ベトナム最大の商都ホーチミン市まで車で約2時間の距離。ベトナム人や中国人ら外国人向けの豪華なカジノホテルが並ぶほか、その地の利から経済特別区(工業団地)も建設されており、急速に開発が進んでいる。

「ゴールデンパーム」は、約1万2500平方メートルの敷地に建つ10階建てのホテルだ。リゾート地を感じさせる華やかなネオンサインが輝く外観で、内部はカジノテーブルを最大200台設置するための準備が進められている。総工費は約32億円。さまざまなショーを繰り広げるステージもあり、同ホテルでしか見ることのできない天功さんのオリジナル・イリュージョンも披露される予定だ。

天功さんはカンボジアについて「ここへ来る前は、無機質な感じの国という印象を持っていたが、実際には人々は温和でやさしく、経済にも勢いがあり、発展している国だということを実感した」と話す。

また、「カジノをしない人や子供たちにとっても十分に楽しい時間を過ごせる場所にしたい」と、ホテルでのショーを充実させる考えを示した。日米さらに韓国のアーティストにも出演依頼をしているという。

「カンボジアの女の子たちをタレントとして育て、ゴールデンパームのステージを拠点とする日本のアイドルグループのようなアーティストをプロデュースしたい」とも語った。

一方で、ゴールデンパームのあるスバイリエン州は、カンボジアの中でも最貧州の一つ。カジノや経済特別区がもたらす経済発展の光とともに、貧困の影も色濃い地域だ。天功さんは「地元で約300人を雇用するほか、カジノビジネスで得た利益をカンボジア社会、特に子供たちに還元する方法を考えていきたい」と話す。

バベットで、アジアの一流エンターテインメント・ビジネスを育てると同時に、天功さんは、日本でカジノのディーラー養成学校を開校する準備を進めている。

日本ではカジノ設置が認められていないため身近ではないが、国際的には大きな利益を生むビジネスとして認知されており、カンボジアの国境地帯にも外国人向けのカジノが林立し、同国の経済活動を支える産業の一つとなっている。

天功さんは、国際的に活躍したいと考える日本人にとって「プロディーラー」という職業が一つの選択肢となるよう、語学から技術まで指導したいと意欲をみせた。

(カンボジア情報誌「ニョニュム」編集長 木村文)




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